[Uターン・Iターン・移住]いーなかえーるは、岡山県北の求人情報をご紹介します
「新庄村に、ちょっと行ってみたいな!」のきっかけの一つに、自分がなれたら。
32's cafe
柴田晴江
岡山県にある、32’s cafe (さにーずかふぇ) 柴田晴江 - 岡山県北の求人情報サイト「いーなかえーる」さんに、お話を聞いてきました。
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1はじめに
丸尾 |
それでは、よろしくお願いします。 |
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柴田 |
よろしくお願いします。 |
丸尾 |
柴田さんは、32’s cafeという移動型のカフェをやられています。こちらはどういったカフェなのでしょうか? |
柴田 |
はい。私が新庄村生まれ、新庄村育ちなので、新庄村の食材や、素材をたくさん使った料理などを提供することをコンセプトとしています。岡山県内の色々な所に移動して、行った先々で新庄村をPRさせてもらっているというカフェです。 |
丸尾 |
お肉とか野菜、お米も新庄村でつくられたものをふんだんに使って、それを岡山県内の方に食べてもらおうということですね。 |
柴田 |
そうですね。私は大阪から新庄村へ帰ってきて、一番最初に就いたお仕事が、新庄村役場の産業建設課の臨時職員でした。 そこでかかわっていたのですが、毛無山の麓に森林セラピーコース(※)があります。 ※大山隠岐国立公園毛無山の麓に位置するセラピーロード |
丸尾 |
森林を歩いたりするセラピーですか? |
柴田 |
そうです。ガイドさんがついて、一緒にあるいて森林浴を行うというものなのですが、お問い合わせをいただく時に、よく「新庄村にカフェないですか?」というお問い合わせをいただいていました。でも、当時はまだ新庄村にカフェはありませんでした。 もともと私の趣味がカフェ巡りだったので、関西にいる時も、娘を連れて、色んなカフェを巡っていました。そして、ただ漠然と、“カフェをやりたいなー”、“できたらいいなー”ぐらいに思っていました。 新庄村に帰ってきて、そのお仕事をしているうちに、“新庄村にカフェがないんだったら、やればいいんじゃない?”と思ったんです!(笑) |
2“やってみよう”の反面、“どうせ新庄村じゃダメだろ”という感覚
丸尾 |
ないのなら、自分がやればいいんじゃないって(笑) |
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柴田 |
そう!! |
丸尾 |
起業家向けのセミナーですか。 |
柴田 |
食に関する先生が来たり、会計系の方が来たり、弁護士さんが来たり。 |
丸尾 |
今日も、雪がたくさん残っていますね。 |
柴田 |
これでも、とけたほうですけど。それぐらい冬は、本当にお客様に来ていただくには難しい状況ですよね。本当にお隣の真庭市さんとでもかなり差があります。 |
丸尾 |
今日、真庭市を通ってきましたが、全然違いますね。 |
柴田 |
なのでお商売をやっていくにあたり、“いや〜新庄でやってもねー”というのが、皆さん思っておられることだと思います。 でも東京から来られたセミナーの先生に、「あんた、何言ってんの?やれない理由ばっかりあげてるんじゃないわよ!」と怒られて(笑)、「やれる方向探しなさいよ!」と言われて、その時に、「あ、そっか」って思って、やれるようにやってみようという形で、“まずはテントスタイルでいいや”と思いました。 そして、がいせん桜まつりは一年の中で一番、お客様がたくさん足を運んでくださるイベント、まずはそこでやってみようっていうことで、最初はテントでブラックタピオカドリンクから始めました。 |
3若い人は“新庄村って岡山県?”“あぁ、これはヤバイ!”
丸尾 |
はじめはテントの店舗からだったのですね。 |
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柴田 |
真庭の保健所に申請に行った時にも、前例がないからダメだって言われました。 |
丸尾 |
前例がないからダメだ・・・そうなりますよね。 |
柴田 |
“こうやったらどうでしょう?”といろいろな方向から提案をし、最後には、それだったらいいですよって、言ってくださいました。 |
丸尾 |
タピオカは、初めてだとそうなるかもしれませんね(笑) |
柴田 |
おじいちゃん、おばあちゃんに「いやいや、これはねキャッサバ芋っていうお芋で・・・」と説明しながら、実際飲まれてみると、「なんかお餅みたいにモチモチしとってええなー」って気に入ってくださいました。 |
丸尾 |
食感が新しいですよね。 |
柴田 |
そうしているうちに、津山市の雑貨店などいろんな所で、「うちにもきて」って言っていただけるようになりました。津山市に行くと、年齢層が若いんですよね。 |
丸尾 |
雑貨店等に多いのは、基本的に若い人ですよね。20代、30代とか。 |
柴田 |
そうですよね。でもその辺りの年齢層の方ですと新庄村をご存知ないんですよね(驚) |
丸尾 |
確かにそうかもしれません。 |
柴田 |
“それって、岡山県なん?”っていう勢いで(驚) |
丸尾 |
それで今のスタイルにつながったのですね。 |
柴田 |
そうです。“車をもとう!”っていう風になり、その方々に色々教えていただいて、移動型という形にすることになりました。 |
4高校時代は県南に進学。生徒数が村の人口より多かった(笑)
丸尾 |
新庄村でお生まれになって、それからこの周辺の学校に行かれたのですか? |
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柴田 |
中学までは新庄村なんですけど、高校になると外に出ないといけません。 |
丸尾 |
総社というと・・・県南に?(驚) |
柴田 |
はい。県南に行ったんです。なんかウチの親も変わっていて、あの少々辛いことがあっても、帰ってこれんくらい遠いとこに行けって(笑) |
丸尾 |
それもすごいですね(驚) |
柴田 |
私は姉と二人姉妹なんですけど、姉も岡山県南部の高校で、高校生から外に出てしまっていたので、私も県南行こうと思ったのもあります。 |
丸尾 |
カルチャーショックというと? |
柴田 |
新庄村だと、私の学年は同級生が8人だったんですよ。しかも、保育園から中学卒業までずっと一緒の状態です。それに対して当時の総社南高校は全学年が1200人いたんです。新庄村の人口より多い所に行って(笑) |
丸尾 |
それすごいギャップですね(笑)人の数も違うし、街並みも全然違いますしね。 |
柴田 |
それすごいギャップですね(笑)人の数も違うし、街並みも全然違いますしね。 |
丸尾 |
どこにですか? |
柴田 |
シンガポールと、オーストラリアに行ったんですけど、向こうは単位制じゃないですか。その勉強のスタイルにも、カルチャーショックを受けました。 |
丸尾 |
自分で科目を選んで受けたりするんですよね。 |
柴田 |
勉強って当たり前にやるものだという感覚だったので、“自分で”というスタイルにすごくカルチャーショックをうけました。 |
5たまに地元に帰ると、田舎の景色で涙が出た
柴田 |
その後、結婚もあり大阪の街の電気屋さんで働くことになりました。よくあるその地域に密着したお商売のスタイルということをここで勉強しました。 |
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丸尾 |
水回りのことから、なんでも相談に乗ってくれる昔ながらの街の電気屋さんという感じですか? |
柴田 |
そうです。そうです。困り事を聞いて、もちろん物を売ってという感じで。 |
丸尾 |
その時期は、大阪のカフェにもよく行かれていたのですか? |
柴田 |
そうですね。かなりたくさんのカフェ巡りをしました。 |
丸尾 |
その後、大阪から新庄村に帰ってこられていかがでしたか? |
柴田 |
ずっと年に一回ぐらいしか帰れなかったので、地元愛が強まっていたんですよね。 |
丸尾 |
それ、わかりますね! |
柴田 |
たまに帰ってくると、お家の向かいの山の景色も、本当に見慣れた景色なのに、一年間離れていて、慣れない大阪という土地で暮らしている時に、帰ったら、パッとその景色を見ただけで、ぶわーーーーって泣いちゃって、で、 なんか田舎ってすごいなって、自然ってすごいなって思いました。こういう空間で実際に自分達も育ててもらって、そういうなんか田舎だから経験できる感覚とかを、子供達にも味わってもらいたいという思いがすごく強まって、“帰りたい”と思いました。 |
6稲刈りをしている田んぼのにおいに、子供が「いいニオイがする」と言った
丸尾 |
最近、アップロードされている動画なんかもすっごい雪の風景ですしね(笑) |
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柴田 |
きゃっきゃっ言って喜びます(笑)一番感動したのが、初めて帰ってきた年の秋頃のことですが、稲刈りをしている田んぼの稲のにおいに対して、子供が「なんかすっごいいいニオイがするな」って言ったんです。あの言葉を聞いた、あの瞬間、すごく感動して、これを経験させてやりたかったんだと思いました。私自身もそういう四季のこのにおいがしたら、季節が来たことを感じたりして育ってきましたから。 |
丸尾 |
確かに田舎には、その季節のにおいってありますからね。 |
柴田 |
うれしすぎて、村長さんに話をしたことがあります。「めっちゃ、うれしかったんですよー」って。 |
丸尾 |
やっぱり、お子さんを育てられる環境としては、自然がたくさんある新庄村はすごくいいですね。都会にいると土を触ったりすることも少ないと言われますけど、日頃から自然に触れることができるというのは、本当にいいですよね。 |
柴田 |
すごくいいですね!あと、子供の性格が、がらっと変わったんです。 |
丸尾 |
どのように変わったのですか? |
柴田 |
長女が当時、小学校2年生でこちらに、転校したのですけど、一年生は大阪の学校で過ごしました。その時は、どちらかというと、教室の隅っこで、1人で読書をしているというタイプでした。 |
丸尾 |
大人しい感じのタイプだったのですね。 |
柴田 |
そういうタイプだったんですけど、新庄村に来ると人数も少人数ですし、すごくみんな元気がいいし、壁も作らないし、すごく素直だし、優しいので、一気にぱっと寄って来てくれて、彼女もいやおうなしにみんなとコミュニケーションをとる環境に入れてもらったので、彼女にとってよかったなぁって、周りにも言われましたね。 |
丸尾 |
距離感とか、関係性がやっぱり違うんですね。 |
柴田 |
すごくみんな素直で、最近よく学級崩壊とかを聞きますけど、そんなこと無縁というか(笑) |
丸尾 |
いなかは、悪い人いない(笑) |
柴田 |
なんか新庄ってすごい環境なんだなって思いました。 |
丸尾 |
やっぱり出てわかることと、戻ってきてわかることってありますよね。逆にずっとそこにいるとわからないかもしれないですけどね。 |
柴田 |
ずっとここにいたら、わからなかったかもしれないですね。 |
7温故知新。新庄村は宝の山。
丸尾 |
先ほど、地元の食材をみなさんに食べてもらいたいと言われていました。そういった新庄村を外にPRしていきたいという思いを、強くもたれているのですね。 |
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柴田 |
そうですね。新庄村は「ひめのもち」の十数年前からPRに力を入れておられています。なので「ひめのもち」は結構皆さん知ってくださっているんですけど。 私は、新庄村は宝の山だと思っています。一つ一つが本当に全部がすごくおいしいし、私も知らない変わった素材などがたくさんあります。 それを地元の人の中で、“こういう時に飲むんだよ”とか、“こういう風に使うんだよ”といったようなことが、ずっと昔から伝わってきています。 |
丸尾 |
ここにしかない知恵があるんですね。 |
柴田 |
そうですね。なんかそういうものすごい魅力があるなと思って、例えば、新庄村の“黒文字”は、健胃作用が一番有名で、胃に良いとされています。 新庄村では、胃が弱い人は昔から新庄村ではそのお茶を飲んでいたということを聞いています。作用もそうなんですけれど、ハーブみたいなすごくいい香りがします。 でもそんなに知られていないという部分が、おもしろいなと思っていて、それを使ってスイーツをつくったりお茶そのものを出してみたり色々やっています。 私も初めはびっくりしたように、お客さまにも同じように「うわっ!何これ?!」と喜んでくださるものが、新庄村の素材には、いくらでもあるんじゃないかと思っています。 |
丸尾 |
岡山県の県内の人でも、そんなこと知らない人達たくさんいて、32’s cafeを通して、知ってもらって、体験してもらえるっていうのは素晴らしいですね。最近始められた“On5chi4in(オンコチシン)”というブランドもそういった想いがあるんですね。 |
柴田 |
まさにそうですね。伝統的なことや、自分が子供の頃に教えてもらった技術などはすごく価値があることだなって思っていて、伝えていきたいと思っています。 昔からある、しめ縄とかのラインも本当に綺麗なんですよね。だからそういう惹き付けられるものを、もっと外に出していきたい、出していけば必然的にPRに繋がるなっていう感覚を持って取り組んでいます。 |
丸尾 |
もともとあるものをちょっと見直すことで、新しい価値として知ってもらう。 |
8高校時代の同級生が、「おもしろそうだから、ちょっと岡山帰ることにしたわ」
丸尾 |
それでは、最後になるのですけども、柴田さんが32’s cafeを通して、これから目指していきたいことは、何かありますか? |
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柴田 |
移動で県南とか、色々なところにお邪魔しているので、もちろん新庄村のことを知らない方々に知っていただくことも目的ですけど、興味をもっていただいて「ちょっと行ってみたいな」みたいに感じてくださって、実際にここ新庄村を訪れていただくっていうことが目標です。 最近は、岡山市や倉敷市それから、鳥取からなど来てくださる方が増えだして、 |
丸尾 |
そういうことを見られて、この地域で別のことをやられるような人達がどんどんどんどん連鎖して、増えるような流れの起点にもなるのではないですかね! |
柴田 |
本当に最近のことですが、高校時代の同級生が「すごいがんばっていて、すごいおもしろそうだから、ちょっと岡山帰ることにしたわ」って言ったんですよ! |
丸尾 |
それなんですよ。本当にそれなんですよね。ポジティブに帰ってみようかと思ってもらえるキッカケですよね。 |
柴田 |
本当に同感ですね! |
「新庄村に、ちょっと行ってみたいな!」のきっかけの一つに、自分がなれたら。
岡山県真庭郡新庄村で生まれ育ったsunnyがやってる店舗を持たない出張cafe
新庄村の食材を活かしたスイーツ、ランチを作っています。
お話を聞かせていただきありがとうございました!柴田さんは移動カフェだけではなく、ラジオ番組、SNSなどを通して、新庄村の情報を発信されています。お話を聞いて、すべての行動に新庄村への想いが込められているのを強く感じました。
柴田さんは大阪から新庄村にUターンのかえーる人でした。
- 取材日:2015年1月26日
- 撮影地:新庄村、津山市