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昔ながらの里山で、今までにない体験を。グランピング施設「ザランタンあば村」
目次
ザランタン(The Lantown)あば村
2021年7月。
津山市阿波地区に、本格的なグランピング施設「ザランタンあば村」がオープンしました。
グランピングとは、「グラマラス(魅惑的な)」と「キャンピング」を掛け合わせた造語で、テント設営や食事の準備などの煩わしさから旅行者を解放した「良いとこ取りの自然体験」のこと。
人が密集する場所へ出かけづらい昨今、手軽にアウトドア気分を味わえることから、グランピング人気は高まっています。
岡山県と鳥取県の県境に位置する阿波地区は、2005年に津山市に合併されるまで、「あば村」として115年続いていた村でした。自治体のあり方は変わったものの、今も古き良き里山の原風景が残っています。(本記事内では、この地域を「あば村」と表記します)
そんな地域で、グランピング体験ができる「ザランタンあば村」。魅力と楽しみ方を、施設責任者の林田さんにうかがいました。
オープニングイベントの開催中に訪問。どこを歩いても、山と空のコントラストが美しい
あば村にグランピング施設ができるまで
― よろしくお願いします。7月末、外でのインタビューですが、風の心地良さに感激しています。
林田さん:ああ、ありがとうございます。山あいの風が気持ちいいですよね。岡山は「晴れの国」ですから夏の日差しはジリジリと強いですが、あば村は空気がきれいですし、渓流の水音も相まって、さらに涼しく感じますね。
あば村の魅力を語る、林田 侑也さん
― 本当ですね。あば村にグランピング施設を作られたのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか。
林田さん:うちの会社、株式会社ダイブといいますが、2019年から全国各地でグランピング施設を運営しています。目指すものとして、「多くの人にまだ知られていない、隠れた地方の魅力を見つけて生かす、広める」を掲げていまして、あば村はまさにそのコンセプトにぴったりだったんです。
― 「ザランタン」の「ランタン」は、「光を当てる」という意味につながるんですね。
林田さん:はい。ザランタンは「The Lantown」という造語ですが、「地域(Town)の魅力を見つけて、つなげて(Lan)、地域に光が当たるように、また、地域に火が灯るように(Lantern)」という意味が込められています。
― 素敵ですね。あば村はまさに、「光を当てたい」と感じる魅力がたくさんあったんですね。
林田さん:そうですね。初めてあば村を訪れたとき、まず山々に囲まれた里山の魅力を肌で感じました。空気はおいしいし、渓流の水は澄んでいて、地元ならではの食材があって。それだけでなく、地域の方たちのつながりの強さや人柄にも惹かれました。
施設内を流れる川。「清流」という言葉がすんなりと浮かぶ
― 施設のオープンにあたって、地域の方もたくさん関わられているとうかがいました。
林田さん:みなさん優しくて、地域を盛り上げていこうという前向きさがあるんです。施設内のテーブルを作ってもらったり、食事メニューの食材を提供してもらったり、オープンに向けて地域のたくさんの方々に助けていただきました。
国定公園・阿波森林公園内にある「ザランタンあば村」
あば村の魅力が詰まった、こだわりの宿泊プラン
― グランピングを通して、あば村の魅力がいろいろ体感できますね。
林田さん:そうですね。夕食は岡山の食材を使ったオリジナルバーベキュー、朝食もあば村ならではの和朝食を提供しています。湧き水で育てたあば村のお米と、お味噌汁、里山ならではの季節のお惣菜を8品。健康的ですし、この自然の中で食べるから、なおさらほっとする味ですよ。
手ぶらバーベキューを含めた1泊2食付きで、11,000円/人(税込)~
― お惣菜が8品も。林田さんのお気に入りはありますか。
林田さん:どれもおいしいですが、「アマゴの南蛮漬け」はとくに好きです。川魚のアマゴは「清流にしか生息しない」といわれています。この施設内の渓流で釣れるので、ぜひ味わってほしいですね。
ある日の和朝食。豆腐、山菜など、季節ごとのあば村の食材を楽しめる
― 客室のテントも、とてもいい雰囲気ですね。落ち着くインテリアで清潔感もあって。
林田さん:ありがとうございます。自然を思いきり満喫しつつも快適に過ごしていただけるよう、女性目線の意見もいろいろ取り入れています。
ウッドデッキ付きのベルテントは10室。定員3名、4名サイズがある
天幕から柔らかい自然光を感じるベルテント。直径5mほどで広々としている
― テントの中もいろいろ備えてあるんですね。本当に手ぶらで来られそうですね。
林田さん:テント内に扇風機や冷蔵庫、電気ポットなどもありますし、キャンプに慣れていない方でも大丈夫です。
お風呂は車で5分ほどの「あば温泉」を利用できますが、希望があればグランピング施設内のシャワー室も使っていただけます。他にも、浴室・トイレ付きのバンガローが5室あります。
木の温もりあふれるバンガロー。定員は5名
バンガローの室内装飾は、SNSフォロワー数8.1万人を超えるインテリア系インフルエンサーYURIEさんによるもの
キャンプデビューにぴったりなグランピング
― オープンして1ヶ月弱ですが、お客様からはどのようなお声がありますか。
林田さん:やはり一番多いのは、「あば村の自然に魅了されました」というお声ですね。山々と渓流に囲まれた中で、日中も夜も、家族や友人たちと気持ちのいい時間を過ごせたと。
― あば村の魅力が伝わっていますね。また、今日の様子を見ていても、お子さん連れが多いですね。
林田さん:そうですね、グループやカップルのお客様も多いですが、思っていたよりもご家族連れが多いです。「子どものキャンプデビューにぴったりだった」と言っていただけたこともあって、嬉しいですね。
施設内の川は浅瀬で、子どもも安心してのびのびと遊べる
― お子さんにとっては初体験なことも多いでしょうね。
林田さん:この場所で、初めての思い出をたくさん作ってもらえたらと思います。アクティビティは、施設内の川で「渓流釣り」や「渓流魚のつかみ取り」が楽しめるほか、テントサウナや電動自転車など、準備中のアイデアもたくさんあります。
― グランピングでサウナ、新鮮な体験ですね。いろいろ計画されているんですね。
林田さん:他にもたくさんあります。やりたいことがありすぎて人手が足りないくらいですね。これからさらに、あば村の魅力を体感いただけるものを増やしていきたいと思っています。
訪れた日も、炭火焼きの良い匂いが漂う
グランピングをきっかけに、あば村に人の流れをつくる
― 今日もオープニングイベントでにぎわっていますが、この場所でいろいろなことができそうですね。
林田さん:まさにそう思っています。地域のつながりを生かして、野外フェスや地域を盛り上げるイベントなど、いろいろ仕掛けていきたいです。
― ザランタンあば村があることで、あば村のことを知るお客様も多いでしょうね。
林田さん:きっかけになれたら嬉しいですね。のんびりと非日常のグランピングを楽しんで、この地域の魅力を知ってもらって、「また訪れたい」と思ったり私のように「移住したい」と思う人が増えたり、そういった地域貢献ができればと思います。
「学生時代から地方を盛り上げる仕事がしたかった」と語る林田さん
グランピング施設の責任者を務める林田さんは、若干25歳。
まだ年若いながら、たくさんの地域の人たちとつながり、ときに助言を求め、一緒に手を動かし、このグランピング施設を作り上げました。
オープンまでの準備期間から、地元のご夫婦と一つ屋根の下で暮らしているという林田さん。
「息子のようにかわいがってもらってます」と楽しそうに語るその姿からは、あば村の温かい人付き合いの魅力が伝わってきました。
高齢化や人口減少が進む中、ザランタンあば村を一つの拠点として、林田さんをはじめ、多くの若者が訪れ始めているといいます。この日のイベントでも見られたように、ザランタンあば村は、地域内外の人と人をつなぐ場所になっていくかもしれません。
そんな新しい可能性を秘めた、昔ながらの里山。一度訪れたら、きっと「またここに来たい」と思うことでしょう。
あば村のことをもっと知りたくなる、グランピング体験