[Uターン・Iターン・移住]いーなかえーるは、岡山県北の求人情報をご紹介します
自然を楽しみ、共に暮らす幸せを発信する。岡山県北のアウトドアショップ。
目次
「自然大好き!ニッチ・リッチ・キャッチ」
県境を鳥取県と接し、岡山県北でも最大規模の市街地を有する津山市。
しかし同時に複数のキャンプ場を持つことから、山でのアウトドアレジャーを楽しめるエリアとしても県内外から知られています。
そんな津山市にあってキャンプ場を訪れる人の中継地点に、また自然を愛する人がわざわざ訪れるスポットにもなっているのが「自然大好き!ニッチ・リッチ・キャッチ」です。
岡山県を南北に走る県道53号線沿いに「自然大好き!ニッチ・リッチ・キャッチ」はある
キャンプ場を訪れるための「ついで」としてだけでなく、「目的地」にもなっている同店舗。
今回はお店で日々、接客にあたるアウトドアサポートリーダーの河本きみえさんと、営業部部長の青山ちかさんのお2人にお話しを伺っていきます。
2021年3月、従来の約3.5倍の広さになってリニューアルオープン
― まずは簡単に、どのような経緯でこちらのお店ができたのかを教えてください。
青山さん:薪や薪ストーブの使用に必要なアクセサリのネット通販から事業をスタートさせた当社が、初めて実店舗を持ったのは2013年のことです。その後、2021年3月28日に現在の場所へ店舗移転とリニューアルオープンをいたしました。ちなみに移転と言いましても、場所自体はあまり変わっていません。ただ面積は以前の約3.5倍になりましたので、お客様にはより多くの商品を手に取っていただけるようになったと思います。
河本さん:2階建てのお店のうち1階部分には食器や調理器具、食料品や調味料、外遊びに適した衣料品や登山靴、トレッキングシューズなど細々としたものを中心に置いています。
ニッチオリジナルのロゴがプリントされたカップ。カラフルでおしゃれなデザインで、普段使いにも良さそう
Tシャツやボトムス、エプロンなども充実。奥には登山用のザックや靴も各種揃っている
靴の売り場には丸太で作られた斜面も。実際に登山に近い環境で試し履きできる
2階部分にはテントやシュラフとも呼ばれる寝袋、テーブルや椅子、屋外用のコンロなど比較的大きなものを置いて、実際に見て、触れていただけるようにしてあります。
― お店に入ってすぐ、2階正面に大きなテントが見えて驚きました!
河本さん:そうでしょう(笑)?今のようにテントを常設展示できるようになったのも、リニューアルオープンしてからのことなんですよ。以前はテントは畳んだ状態で並べていて、お客様からお声がけいただいてから屋外で広げて見せるという方法を取っていました。でもこの方法だと、天気の悪い日にはできないことも多くて。「買う前に広げて見たいんじゃけどな…」とおっしゃるお客様のご希望に添えないこともあり、心苦しかったんです。
店舗入り口の正面からは、テントが建てられた2階売り場へ続く階段が見える
― 今建てられていないテントを見たい場合、屋内で広げていただけるんですか?
河本さん:もちろんです!既に建ててあるテントをしまって、お客様が見たいテントをお出ししますよ。設営と片付けが簡単なのもアウトドア用品の良いところですし、実際に広げるところ、片付けるところを見ていただくのも、これからご自身でお使いになるうえで大事だと思うので。スタッフから手順をお見せし、一緒に作業をしてみてある程度の扱い方を体感してもらうところまで、購入前の段階でしていただければと思っています。
安心して長く使ってもらいたいから「売りっぱなし」にはしない
― 商品を購入する際に、購入後の扱いについてまで教えていただけるんですね。
河本さん:はい。お客様さえよろしければ、取扱いのコツをご紹介させていただきます。お客様には心から納得して、気に入ったうえで商品を購入してほしい。そして安心して、長く使い続けてほしいですから。商売だからと言って、売りっぱなしには絶対したくないんです。
青山さん:「売りっぱなしにしたくない」というのは店舗で働くスタッフはもちろん、普段ほとんどお客様と接することのない裏方のスタッフ皆とも共有する想いです。このため取り扱う商品を選ぶ際にも、アフターサービスや購入後の補償がしっかりしているかどうかは、重要な基準の一つとしています。すぐに壊れてしまったり、壊れたときに対応してもらえないメーカーの品物だと、長く安心して使ってもらえませんからね。
― なるほど。ちなみにアフターサービスや補償の期間・質以外に、商品を選ぶにあたり大切にしていることは何でしょうか?
青山さん:しっかりとした信念や想いを持ってモノづくりをされているメーカーさんかどうか、でしょうか。輸入商品であれば紹介・販売される担当者さんのお話からそういった考えが伝わってくるかどうかで判断しますし、国内メーカーのものであれば、作り手さんから直接お話を伺うなどして、私たちのお客様に自信を持ってご紹介できるかを判断します。
取材の際にお借りしたグレーの椅子。こだわりの品だけあって、そのままデスクワークできるくらい座り心地が良かった
河本さん:店舗スタッフとしても、大切なお客様には自分たちが良いと思うものをご紹介したいですからね。自分が本当に好きなもの、良いと思うものをご紹介するからこそ、私たちの仕事も楽しくなる。それでお客様に喜んでいただけたら、こんなにハッピーなことはないなって思います。
接客は、大好きな自然とアウトドアについてお客様と話す楽しい時間
お客さんから「大山大好きこうもっちゃん」の愛称で親しまれる、河本きみえさん
― 普段からお店に立たれている河本さんにお聞きします。お店づくりをするうえで、大切にしていることは何でしょうか?
河本さん:お店としてはどなたにも入りやすく、楽しんでいただける空間づくりをめざしています。アウトドアグッズって、使うところを想像するだけでも楽しいじゃないですか。だから、商品を見て回るうちにわくわく楽しくなるようなお店にしたいと常に想ってます。実際に店内を歩くお客様から「ニッチやばい!」「あれも欲しい、これも欲しくなる!」と言う声が聞こえてくると、すごくうれしいですね。大げさに聞こえるかもしれないですけど、本気で津山から日本へ、世界へ自然を楽しむ喜びと幸せを届けたいと思っています。
― リニューアルオープンされてからもうすぐ半年になりますが、どのようなお客様が来られていますか?
河本さん:地域としては岡山市や倉敷市など、県南から来られている方が多い印象です。津山市をはじめ県北の方たちに比べ、県南の方がキャンプ熱が高いのかもしれませんね。年齢層としては30代が最も多く、ソロキャンプやファミリーキャンプ用の道具を探しに来られます。ちなみに通販サイトの方では、空気清浄機や発電機などのパワーツールを多く扱っている関係上か、40~50代のお客様のご利用が多いようですよ。
― 接客をする際に大切にしていることを教えてください。
河本さん:しっかりお客様と会話をすることです。「接客」というより本当に「お話する」に近い感覚なんですけど、ご挨拶から始めてどんなものが欲しいのか、ご予算はどれくらいか、どんな風に使いたいかをお聞きして提案していくイメージですね。アウトドア用品って椅子一つとっても、寝袋一つとってもいろんな種類や価格帯があるんです。お客様が買おうと思っているものが、実際にはお客様のしたい使い方にそぐわないということもあるので、そのあたりも含めて私たちスタッフがフォローできればと思っています。
河本さんはじめ、取材当日の「自然大好き!ニッチ・リッチ・キャッチ」のスタッフの皆さん
― 店内を見まわしてみると、スタッフの方がほぼすべてのお客様と会話されていますね。
河本さん:そうですね。可能な限りすべてのお客様にお声がけし、お話して、楽しく納得のいくお買い物をしていただけるよう皆で心がけています。お話をしてみないとわからないことって絶対ありますし、伝わらないこともあるんですよ。想いやこだわりを持ってモノづくりに励まれているメーカー、ブランドの比較的高額な商品も扱っているからこそ、そこも私たちがちゃんと伝えないと「高いな」で終わってしまう。ご予算だけではなく、そのお客様のニーズと本当にマッチする品質・機能・デザインの商品をお探ししてご紹介するのは、会話なくしてはできないと思います。まあ、単に私がお客様とお話するのが大好きだという理由もあるんですけど…。仕事が休みでお客様とお話できないと、ちょっと寂しいと思ってしまうくらいです(笑)。
販売だけでなく情報発信も行い、お客様をより幅広くサポートしたい
― 今後、お店として力を入れていきたい活動や事業はありますか?
青山さん:アウトドア用品に付随することとして、キャンプマナーや防災時にも役立つサバイバルスキルの発信などはやっていきたいですね。これも当社の「売りっぱなしにしない」という想いからくるものなんですが、道具を売るだけでなく正しく、有意義に使うための知識と技術を体験したり、身に付ける機会もお客様に提供したいんです。
河本さん:アウトドア用品って、そのまま災害時にも役立つんですよ。私は津山市在住者なのですが、過去に台風で電気が何日も停まったときにアウトドア用品で生活を守った経験があります。いつもと変わらずごはんを作り、不自由なく生活することができました。これって普段からアウトドアに親しんでいて、テントや調理器具の使い方が身に付いていたからだと思うんですね。近年では地方を問わず、毎年のように災害に起こっています。誰でも被災者になり得るからこそ、防災スキルとしてアウトドアを学んでおいて損はありません。当店では登山時に食べる食事として、水やお湯を入れるだけで食べられるアルファ米も販売していますが、これも災害時の非常食になります。
1階で陳列されている、アウトドアに便利な調味料や食料品のコーナー
青山さん:具体的には、学校の校庭でもいいのでテント泊イベントを開催できたらいいなと考えています。PTA活動の一環として市が災害時用に保有するテントや飯盒などを使い、校庭に親子で一泊してもらう。この方法なら、ファイヤースターターを使った火の起こし方やテントの建て方を楽しく学び、覚えてもらえるんじゃないかと思って。親御さんも一緒に経験しておけば、次に災害が起こったときに家族で慌てずに済むかもしれません。アルファ米のおいしい食べ方も知っておけば、有事の際の食事もちょっと楽しくなりますよ。
2階に建てられていたテント。使い方を知っていれば、家の中と変わらず快適に過ごせそう
河本さん:キャンプマナーについては自然と人、そして施設すべてを守るためにもお伝えしていきたいです。アウトドアは自然の中に入って行う遊びですから、自分だけでなく周囲の人や自然のことも考えて楽しむ必要があります。自然環境、そしてご自身の身の安全を守るためにも、焚火や残った炭、食べ物を適切に処理する方法は知っておかなければなりません。うちのお店で買った道具で遊ぶお客様が、マナーを知らなかったことで注意を受けたり危ない目に遇われることのないよう、情報をお伝えしていかないといけないなと思います。
店先で売られている飲み物が瓶入りなのも、環境への配慮から。
ペットボトル利用を少しでも減らすため、スタッフは店で販売するマイボトルを愛用している
青山さん、河本さんのお2人のお話には「愛情」が溢れていました。
店名にもある自然への愛、選んで店頭に並べ、お客様のもとへ送り出す商品への愛。
そして、そこにある商品と人に会いに来てくれるお客様と、自身が携わる仕事への愛情です。
自然のなかで過ごしたくなったら、自然やアウトドアを愛する人に会いたくなったら、長く使える相棒のようなアウトドア用品が欲しくなったら。
ぜひ一度、津山市のアウトドアショップ「自然大好き!ニッチ・リッチ・キャッチ」を訪れてみてくださいね。
取材・文:灘岡もえ