[Uターン・Iターン・移住]いーなかえーるは、岡山県北の求人情報をご紹介します
人を大切にするということ
TETTA株式会社
高橋竜太
岡山県にある、TETTA株式会社 代表取締役 高橋竜太 - 岡山県北の求人情報サイト「いーなかえーる」さんに、お話を聞いてきました。
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1ブドウ生産販売からワイン製造販売まで。
丸尾 |
よろしくお願いします。 |
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高橋 |
よろしくお願いします。 |
丸尾 |
TETTA株式会社の代表取締役をされていますけれども、TETTA株式会社というものは、どういった会社なのでしょうか? |
高橋 |
主な事業はブドウを栽培する農業生産法人で、生食ブドウと、ワイン用ブドウをつくっています。第二創業ということで、今年から自分たちでつくった原料100%のブドウを自分たちで醸造するというワインの製造のほうにも進出します。 今までは委託醸造という、県外で自分たちのつくったブドウをワインに仕込んでもらって、自分たちのブランドで販売していました。創業8年目になるのですけど、今年からやっと自社醸造が開始できるようになります。ブドウ生産販売から、ワイン製造販売までブドウに関する6次化を実現していこうとしています。 |
丸尾 |
今、第二創業と言われましたけど、TETTA株式会社の中での第二創業という感じなのですね? |
高橋 |
もともと違う会社がここをやっていて、その会社がダメになって、僕たちが再生に手を挙げました、当面はずっとブドウの栽培に集中してきました。今回、第二創業ということでワイン事業に本格的に進出するということです。 |
2ワインの背景やストーリーを感じる工場。
丸尾 |
まさに建物が、できているところなのですけれども、この建物はどういった感じの建物になるのですか? |
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高橋 |
この建物は醸造をする場所ですね。俗にいうワイナリーというところです。ブドウを搾って、加工して発酵、熟成させて、ワインを完成まで仕上げる場所です。いわゆるワイン工場ですね。 |
丸尾 |
じゃ、ここで本当にオリジナルのワインができていくということですね。前にはに畑が広がっています。 |
高橋 |
そうですね。畑が一望できるロケーションを敢えて選んで。ワイナリーができることによって、お客様に現地に来てもらって、どういうワインづくりをしているとか、どういう環境でこのブドウをつくっているかというのを見てもらいたいので、“人が呼び込める工場”、そして将来的にはカフェも併設して、飲食なども展開して、ぜひここに来て見てほしいなと考えています。 |
丸尾 |
本当にワインつくるだけじゃなくて、ここに実際に足を運んで、手に取ってもらって、味わってもらうというか、この場所を感じてもらうような建物ですね。 |
高橋 |
ワインの背景にあるバックボーンを感じてもらいたいですね。空気だったりとか、この緑を見てもらったり、秋になったらブドウの香りをかいでもらうことによって、ワインの見えないおいしさを感じてほしいです。どういう人物像がつくっているとか、どういう環境かということも。 そして、やっぱりワインは基本は嗜好品ですし、好き嫌いがはっきりするものなので、そういうストーリーをより見て、より愛着持ってほしいなというのはありますね。 |
丸尾 |
今も足を運んでもらう、ワイン会を開催されていますよね。 |
高橋 |
そうですね。“星空ワイン会”だったり、“新植祭”という苗を植えてもらえるイベントというのを毎年やっていて、本当にリピーターの方もそうだし、新しいお客さんもたくさん来てくださるので、そういう方が定期的にちょっと自分が植えた木を秋に見にきてもらえたりすると嬉しいですよね。 |
丸尾 |
岡山市内など遠隔地でもワイン会とかやられていますね。 |
高橋 |
そうですね。いろんなレストランさんとか結婚式場さんとかがいろんな企画をしてくれて、ここだけじゃなくて、地域外というか、この場所じゃないところでも、いろいろ仕掛けていた企画も一緒にやらせてもらっていますね。 |
3まだまだ歴史が浅い。ワインに対する文化。
丸尾 |
この建物、すごくステキな建物ですね。 |
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高橋 |
岡山が誇る世界的なインテリアデザイナー、Wonderwall・片山正通さんが僕たちのプロジェクトに手を貸してくれています。あまりこういう建物建築から携わることは、ほとんどプロジェクト的にはないらしいですよ。今回本当にゼロから一緒に建物をデザインしてもらっていますね。 |
丸尾 |
今言われたプロジェクトというものは、どういう感じのコンセプトとして、お伝えされたのですか? |
高橋 |
僕たちワイン工場つくるに当たって、ワインツーリズムと言うか、ワインに対する文化って、岡山はまだまだ歴史が浅いので、ワイナリーに行くというムーブメントがまだ全然根付いていない地域でもあります。お客様が来て、ブドウ畑を良いロケーションで見れたりとか、ちょっとおしゃれな建物ができたとか、いろんなキッカケをつくることによって、片山さんがデザインしたというのも大きなツールにもなりますし、建物からやっぱりこだわるじゃないですけども、ブランドづくりということで、片山さんにお願いしました。 |
丸尾 |
この新見市哲多町というところなのですけれども、ここは小高い山の上というか、結構標高的には高いところなのかなと思うのですけど、それはやっぱりブドウとかに向いている地域ということですか? |
高橋 |
そうですね。ここは標高が大体400mぐらいで、やっぱり寒暖差があったりとか、南から北に向かっての斜面なので、今も吹いているように、風がしっかり吹いたりとか、環境的には、あと石灰岩土質というこのエリアがやっぱりブドウ栽培に非常に適しているというか、大きな武器になります。偶然ですけども、ここでブドウ栽培できるというのは、いろんな偶然的なタイミングとキッカケではあったんですけども、非常に良い環境は手に入れることができたかなと。 |
丸尾 |
そうですね。何か日本なのですけど、日本じゃないというか。日本のこういうワインの地ってあまり行く機会ないです。 |
高橋 |
そうですね。ワイナリーの目の前に畑があるというのが、僕たち一番の武器というか、宣伝ツールでもあるので、やっぱりこのロケーションを見て、ワインを飲んでもらえたらなと思いますね。 |
丸尾 |
そのブドウとワインというのは、特徴とか品種とかってあるのですか? |
高橋 |
生食ブドウは安芸クイーンという赤ブドウの珍しいものを中心に植えているのですけども、ワイン用ブドウも基本的にヨーロッパのブドウを中心に今植えています。 |
4TETTAワインとは何なのか?年々プレゼンしていきたい。
丸尾 |
TETTAのワインとしては、どんなワインになるのでしょう? |
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高橋 |
うちの特徴は、今まで委託醸造していたので、どうしても県外のカラーというのが出ているので、はっきり言ってまだまだうちの特徴というか、ポテンシャルが発揮できていない部分があると思います。これから獲った日に、そのまま仕込めるという、一番のメリットがどうワインに影響していくか。 いい意味で、いい方向性に向くかというのは、期待しているところでもありますし、ここでできるブドウって何なのか?という、自分たち自信もチャレンジしているところです。どういうふうに化学変化を起こして、良いものができるかというものを年々プレゼンしていきたいです。 |
丸尾 |
今までとは全く別のワインができる可能性もありますよね。 |
高橋 |
そうですね。やっぱり日本らしい、口当たりが優しかったりとか、飲みやすさ、あと和食に合ったりとか、飲み続けられるワインというのが日本のワインの特徴でもあるのかなと、僕はちょっと感じています。――でも、わからないですよ(笑)。濃い良いものができるかもわからないし、そういうのもやっぱりつくっていきたいというのも、ありますが、何ができるかなというのは毎年の楽しみというか。 |
5大学卒業後は、アメリカへ。
丸尾 |
高橋さんはもともと他の地域に出られていたりとか、戻られてきたりとかされていたことはありますか? |
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高橋 |
高校は岡山県の真ん中ぐらいですね、吉備高原のあたり。大学は大阪に行っていました。大学卒業して1年間アメリカにいて、全く違う仕事していたのですけれども、稼業は建設業を地元新見でやっていて、帰るきっかけがあって、それからずっと何十年も建設業をやっていたんですけども、8年前にベンチャーという形で新しい事業にチャレンジするということで、私自身ダブルワークをずっとやっていますね。 |
丸尾 |
大学卒業後、アメリカで何をされていたんですか? |
高橋 |
スポーツビジネスを勉強したくて、その業界で下働きしたり、アルバイトしたりとか、英語を勉強してみたりいろいろしていました。 |
丸尾 |
アメリカのどちらに行かれていましたか? |
高橋 |
いろいろ行っています。ニューヨーク州とか、バンクーバー(カナダ)にも行ったときもあったし。 |
6農業は厳しい。でもチャレンジする価値はあると思った。
丸尾 |
アメリカから新見に戻られて、建設業を十数年やってから、TETTAを創業されたのですね。 |
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高橋 |
そうです。あるきっかけがあって、これにチャレンジすることになりました。 |
丸尾 |
その経緯というのは、どういった感じですか? |
高橋 |
もともと、ここのブドウ農園を運営していた、別の会社が閉じるという話がありました。そのころは、食べるブドウのほうを中心にやっていました。 |
丸尾 |
それが8年前ですね。今スタッフの方が働かれていると思うのですけど、そういう方々は地元の方ですか? |
高橋 |
そうです。基本地元のパートのおいちゃん、おばちゃんたちと、1人正社員がいたくらいで、本当に小ぢんまりとやっていて、今の面積の3分の1ぐらいしかやっていなかったので。ほとんど耕作放棄地になっていました。 |
丸尾 |
今は当時の3倍ぐらいの面積に広げてやっていると。 |
高橋 |
そうですね。 |
丸尾 |
そのときは高橋さんが、これを別に放っておくという手もあったと思うのですけど、それをやろうと思ったきっかけで一番大きいところは何だったのですか? |
高橋 |
自分自身、新たな事業にチャレンジしたいなというのも、もちろんありました。そして、全く知らない人たちが働いていたわけじゃないので、彼らの雇用を守りたい、守らなければなというのもありました。 でも、一番はこの畑をそのまま山へ戻すのって・・・せっかく自分たちで耕して木を植えたのに、そのまま森に返すのって何かすごいもったいないし、それでいいのかなというふうに思って、調べていくうちに、チャレンジする価値はあるかなと思いました。 本当にいいものはできていたので、まずは生食ブドウの売り方を変えて、ブランドをつくっていきました。そしてある時ここはワインに向くというのがわかってきました。 生ブドウというのは短期間でしか売れないですし、それが年によってはダメになって、1年間が飛んでしまうこともあります。やっぱりワインで加工することによって、長く生産活動や販売活動ができるというのはメリットでもあったし、ビジネス的にもメリットがあります。 あとやっぱりワインつくるなんて、なかなかできる機会ないじゃないですか!?やっぱり面白いと思ったし、すごいロマンのあるというか、夢のあることだと思いました。本当は厳しいですよ、農業なんですごく厳しくて、そんなボロ儲けするような事業ではないんですけども、やっていて楽しそうだなと率直に思ったんです。 |
7“ワインを楽しむ場”を創造する使命。
丸尾 |
SNSを見ていると、違う地域からもコメントとか入ったりしているじゃないですか。遠くから来られる方もいらっしゃいますか? |
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高橋 |
いますね。新植会だったら、東京から日帰りで来てくれたりとか、九州から来てくださったりとか。今、ワインの飲む層というのは広がってきていますし、ファンになってくださっている方もいらっしゃいます。そういう方も来てくれて、一緒に盛り上げてくれます。 ワインの質を上げるというのは、第一の今の目的というか、やらなければいけないことなのですけども、僕たちがつくっている価値やストーリーをプレゼンすることで、徐々に世界も広がっていくし、実際今も県内のワイン取引先さまも増えました。 |
丸尾 |
このTETTAで、これからチャレンジしていきたいと思われていることはありますか? |
高橋 |
まずは先ほど言いましたように、いいワインをつくるというのは、何が何でもやらなければいけないことです。上質なワインをつくるというのが一番です。 今、僕たちこの基地ができたので、この基地をきっかけにいろんなイベントをやったりとか、他業種、例えばコーヒー屋さんとコラボしてやったりとか、いろんなレストランのシェフとコラボしてやったりとかというのもどんどん企画していきたいと思います。 “ワインを楽しむこと”を創造していくことによって、自分たちのワインを飲んでもらうキッカケをどんどん広げていきたいなというのがあります。いろんなことを自由に発想し、ワインを広め、ワインを飲んでもらう機会をつくるということも、自分たちが良いワインをつくるのと同じく、やっていくべき使命だと思っています。 |
8新見を、チャレンジしたい人が来る場所に。
丸尾 |
活動を通じて、最終的に地元である新見・哲多町が変わっていってほしいという思いはありますか? |
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高橋 |
そうですね。新見はワイン特区も取得してくれました。ワインというのは、果実酒製造免許といって国税庁の免許制です。ある程度経済的な条件とか、技術力、販売力などいろいろな要綱があります。またこれだけの量をつくらなければならないという要件もあります。 ワイン特区をとることによって、例えば今までは法人規模でしか取れなかったのが、夫婦2人でも取れるようになったので、ということは、これだけいい土地があって、ブドウ栽培する環境がそろっている新見に、どんどん地域外から移住してきて、ワインブドウとかワインづくりチャレンジしたいという人が来れば良いきっかけになります。 現に今2組、移住してきて、TETTAで農業研修をして、もう独立して、今年からこの業界にデビューした人もいますので。 |
丸尾 |
素晴らしいですね。 |
高橋 |
どんどんチャレンジしたい人たちがこの地に来ることによって、この地域のワインに対するポジションというか、認知度も上がっていきますし、もっと広い話でいけば、地域の農業振興にもなります。 また、彼らが例えばブドウ、ワインをつくる施設がなくても、僕たちここにあることによって、今まで僕たちも県外へ持っていっていたものを、この周辺地域の人たちに、ここで提供できます。 僕たちのところに委託で頼めば、流通コストもかからないし。例えば、今ピオーネつくっている人が、ちょっと余った畑でワイン用ブドウを植えて、100本ぐらいしかワインできないけど、TETTAへ持ってきたら、この地で自分がつくったワインが出来上がります。 そうしたらどんどんその人たちも、今まで日本酒しか飲まなかった人が、ちょっとワイン飲み出したりとかね。そういうのがワインの1つ1つの歴史だと思うんですよね。そういうのはやっぱり、僕たちこの新見市で初めてできるワイナリーなので、そういうことにはしっかり協力していって、広げることによって、僕たちも新しい人材であったりとか、新しい経験値がもらえるので。 うちは基本的に社員寮があるので、独身寮も。女の子も住める寮があります。今年に新築したんですよ。きれいなものがあって、もう県外からどんどん来てほしいなというのがありますね。今TETTAにいる若い子は、ほとんど県外から来た子ばかりです。 |
丸尾 |
県外からスキルをつけたいというような感じで来られているのですね! |
高橋 |
先週なんて、初めてですけど新卒が、広島の大学生が面接に来て、こういうことをやりたいというので。もし新卒をうちが雇うということになれば、多分新見の農業生産法人は驚くと思うんです。 多分僕たちの規模感というのももちろんあるのかもわからないけど、今までの農業で新卒って、新見多分例が、農協以外はないかもわからないですね。やっぱりそういうことをやって発信することによって、この地域がもうちょっとフォーカスされてもいいと思いますし。 |
9ゴールに向かうことで感じた、人の大切さ。
丸尾 |
お話を聞いていてすごく面白い地域になる気がしました。最後に、高橋さんが日ごろ大切にされていることがあれば、教えてていただけますか? |
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高橋 |
僕はもともとワインの世界で生きてきた人間ではないので、ド素人から8年前に入ってきて、今でも全然飲んでいるワインの量なんて、今のワインラバーの人たちに比べると、天と地ぐらいあって、経験値も全然少ないと思っています。でも、なぜここまで来れたかというのは、やっぱり自分たち、ここのワインをつくるというゴールに向かうことでできた、人の繋がりによるものです。 人の繋がりによって急激に僕たちの世界が広がってきました。ワインをつくるというのは、事業として大切なことなのですけど、僕はこの事業をやるに当たって、人の繋がりの大切さをすごく感じました。 自分が持っていないものを、必ず他人が持っています。繋がることで自分のない経験値をアップするということも、この何年かすごく実感しています。僕のモットーというのは、やっぱり“人を大切にする”ということです。 |
人を大切にするということ
生食用ぶどうとワイン加工用ぶどうの栽培・販売及び、ワインの製造・販売を行っています。TETTAの広大な農園には、現在、生食用葡萄とワイン原材料用葡萄の木が8000本あります。そして、土壌はフランス銘醸地に似た石灰岩土質で水はけも良好。標高も高く寒暖差もあり葡萄栽培には非常に適した環境です。恵まれた土質は、日本国内探しても稀です。人間の知恵とこの自然の恵みが奏でる葡萄を心込めて皆様へお届けいたします。
お話を聞かせていただきありがとうございました。新見地域がワインづくりや、いろいろなチャレンジをできる場所となり、また新たな文化としてワインが歴史となっていく。そのコアとしてのTETTA高橋さんの活動はとても感銘を受けました。TETTAのワインがこれから広がっていくことも、とても楽しみです!高橋さんは、アメリカからUターンのかえーる人でした。
- 取材日:2016年7月5日
- 撮影地:TETTA株式会社