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DXと「社員が主役」の会社づくりで、次の100年へ

日笠商事株式会社 代表取締役社長

阿部浩明

津山市

日笠商事株式会社の阿部さんにお話を聞きました。

 

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#業務改善
#オフィスソリューション
#社員が主役
#100年企業

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1岡山県北のお客様の業務改善を支えるオフィスソリューションの総合商社

丸尾

今日は「かえーる人」として、日笠商事株式会社の阿部さんにお話を伺います。
まずは改めて、日笠商事がどのような会社か、教えていただけますか?

阿部

日笠商事は、岡山県津山市に本社を置く、オフィスソリューションの総合商社です。
複合機や印刷機をはじめ、パソコン、ネットワーク・セキュリティ、業務クラウドサービス、オフィス家具、事務用品まで、オフィスに関わるものをワンストップでご提供しています。

丸尾

「オフィスに必要なものは一通りお願いできる」存在なのですね。

阿部

そうですね。もともとは事務用品からスタートしていますが、40年前から複合機や印刷機を扱うようになり、その後、業務ソフトやクラウドサービスなど、ITの領域にも広がってきました。

 

単に物を売るだけでなく、お客様の業務を理解したうえで「どう良くできるか」を一緒に考える、課題解決型の営業スタイルを強みにしています。

丸尾

具体的には、どんなソフトウェアを扱っているのでしょうか?

阿部

販売管理、給与計算、会計などのいわゆる業務パッケージに加えて、サイボウズの「kintone」のようなノーコードツール、LINE WORKSのようなチャットツールなど、中小企業のDXに必要なツールを幅広く扱っています。

丸尾

ハード(オフィス家具・レイアウト、デジタル機器など)から、基幹系の業務ソフト、さらに最近は業務改善の領域まで!?かなり幅広いですね!

阿部

コクヨさんやオカムラさんなどのメーカー品に加えて、オフィスの設計、フリーアドレスの導入といった空間づくりも含めてご提案しています。

丸尾

お客様の数は、どれくらいになるのでしょうか?

阿部

お取引があるのは、だいたい2,000社ほどです。
エリアとしては岡山県北の11市町村。県北に本社を置く企業様の、かなり多くとお付き合いさせていただいていると思います。

2DX・生成AIで地域企業のビジネス変革をサポート

丸尾

近年は「DX」や「生成AI」といったキーワードもよく聞くようになりました。日笠商事さんでは、どのような支援をされているのでしょうか?

阿部

DXや生成AIは、いま経営者の皆さまの大きな関心事です。ツールを納めるだけでは業務改善につながらないケースが多いので、導入から研修、定着まで一貫して伴走支援できるよう体制を整えています。

丸尾

ツールだけ入れて終わり、ではないと。

阿部

はい。私たちは「DXによる業務改善」、「AIによる業務効率化」、「オフィス環境の改善」の3つを柱に、経営者の関心事にしっかり向き合いながらご提案をしています。労働人口の減少や採用難は、県北でも大きな課題ですので、その解決策としてDXやAIを位置づけているイメージですね。

丸尾

採用面では、弊社レプタイルが運営する「いーなかえーる」などの求人ツールも扱われていますよね。

阿部

レプタイルさんの「いーなかえーる」については取次店として取り組んでいます。
経営者の関心事は本当に多岐にわたるので、DXやAI、オフィス改善や採用などテーマをいくつか用意しておき、その中から話のきっかけをつくるようなスタイルで提案しています。

丸尾

そして、そうした取り組みが評価されて、今年度「おかやまDX経営力大賞」の優秀賞も受賞されましたね!

阿部

はい。こちらもレプタイルさんとのコラボレーションで社内の改善を進め、その内容をお客様への提案にもつなげてきたことが評価されました。

 

「社内でやっていること」と「お客様に提案していること」が言行一致している、という点を高く評価いただけたようで、とてもありがたく思っています。

丸尾

DXやAIを「自分たち自身で実践しているからこそ、リアルな提案ができる」というのは、まさに日笠商事さんらしさですね。

阿部

2022年ごろからDX、そして今年からは生成AIも含めて、ツール導入と研修を社内でどんどん進めてきました。

そこで得られた知見や、うまくいかなかったことも含めて、正直にお客様にお伝えしながら提案を行なっています。

3東京、福島、そして世界へ。阿部社長のキャリアの歩み

丸尾

ここからは、阿部さんご自身のこともお伺いしたいです。
ちなみに、ご出身はどちらでしょうか?

阿部

生まれは東京の世田谷です。
その後、2歳のときに父の転勤で大阪へ移り、豊中・池田・枚方あたりで育ちました。1970年の大阪万博のころは、小学5年生でしたね。

丸尾

東京生まれで、大阪で育ったのですね。その後はどうでしたか?

阿部

はい。父が脱サラして福島県郡山市でレストランを始めたことをきっかけに、家族で移りました。もともと父の出身地が福島だったこともあり、高校卒業まで郡山で過ごしました。祖父・父・私の三代が同じ高校という、ちょっと珍しいパターンです。

丸尾

そして、大学は東京に進学されたんですよね?

阿部

青山学院大学の経済学部です。4年間、渋谷のキャンパスで過ごしました。
卒業後まずは、富士ゼロックス(現在の富士フイルムビジネスイノベーション)に入社し、仙台と盛岡で合わせて13年ほど法人営業を担当しました。

丸尾

まさにその時点から、いまの日笠商事さんにつながるキャリアですね!

阿部

富士ゼロックスは、コピー機などハードウェアの製品販売の企業でしたが、当時から「単なる出力機器の販売ではなく、業務改善を提案する」というスタンスでした。アメリカ本社のセールス手法をベースにした教育プログラムがあり、その仕組みに沿って「営業のスペシャリスト」を育てる会社だったと思います。

丸尾

海外勤務も長かったとお聞きしました。

阿部

社内公募をきっかけに、オーストラリアに3年、シンガポールに2年、計5年間、海外で勤務しました。

 

ちょうど複合機がアナログからデジタルへ変わり、ネットワークにつながることでコピー・プリンター・スキャナ・FAXといった機能をまとめて持つようになった時代です。

その新しい複合機を、オーストラリア・シンガポールを中心に広めるマーケティング的な役割も経験しました。

丸尾

帰国後は、本社でソリューション営業の展開も担われたとか。

阿部

はい。「モノからコトへ」というスローガンのもと、いわゆる課題解決型のソリューション営業を全国の営業・特約店に展開するチームに入りました。
その後、自分でも現場で試してみたくなり、福島の販売会社に移って営業・マーケティングの責任者として約11年働きました。

丸尾

さらに、そこからまた海外へ?

阿部

そうなんです(笑)。再び富士ゼロックス本体に戻るよう命じられ、フィリピンとタイの現地法人社長として、あわせて8年間赴任しました。

 

トータルで13年間、社会人人生の約3分の1は海外駐在ということになりますね。

 

そこで定年を迎え、コロナ禍で日本にしばらく戻れない時期もありましたが、コロナが落ち着くタイミングで帰国し、ご縁があって日笠商事に入社しました。

42027年に創業100周年へ。おかやまDX経営力大賞 優秀賞受賞。

丸尾

日笠商事には、いつ入社されたのでしょうか?

阿部

2022年の5月です。ちょうど3年半ほどになります。

丸尾

日笠商事に入社されてから、どのような改革・取り組みを進めてこられましたか?

阿部

私自身、中小企業で働くのは初めてでしたので、大企業とは違う部分は覚悟していました。創業からの歴史は長い一方で、人事制度や企業制度など、組織的な運営の面では課題も多くありました。

 

そこで、「業務改善」はもちろんのこと、「評価制度・役職制度の整備」や、「女性活躍の推進」など、組織としてきちんと機能する土台づくりを一つ一つ進めてきました。

丸尾

今年9月からは社長に就任されましたね。

阿部

はい。2025年9月1日付で代表になりました。
創業100周年が近づくタイミングでもあり、「企業価値をどう高めるか」「地域とどう関わっていくか」という視点で、いろいろな仕組みづくりを進めています。

丸尾

先ほど触れた「おかやまDX経営力大賞」の優秀賞受賞も、その流れの中にあるんですね。

阿部

そうですね。社内でDXやAIを実践し、その取り組みをお客様への提案に生かしていること。さらに、津山商工会議所やつやま産業支援センター、金融機関各社様など、地域のネットワークの中でDX・AIによる業務改善セミナーの講師を務めるなどの活動も含めて評価していただきました。

丸尾

社内のDXは、具体的にどのようなことをされているのでしょうか。

阿部

SFA(営業支援システム)を導入し、見積情報や商談の状況を全社的に共有できるようにしました。勤怠管理や各種申請のワークフローもクラウド化し、事務所に戻らなくても承認や確認ができるようになっています。

 

その結果、紙の使用量は6割以上削減できました。紙文書に依存しない業務スタイルへの転換が、着実に進み、DX推進で年間2,000時間以上の業務時間を削減してきました。

丸尾

まさに「オフィスの課題をトータルに解決する」会社自身が、モデルケースになっているわけですね!

阿部

お客様には「社内でも同じことをやっています」と胸を張って言えるようにしたかったんです。言行一致で、これからも提案していきたいですね。

5「あべ食堂」で社員が主役の会社づくり

丸尾

社内の取り組みといえば、「あべ食堂」もとても印象的でした!

阿部

よくご存じですね(笑)。「あべ食堂」は、料理好きの社員のひとりと一緒に始めた取り組みです。

私自身、「いつか店を開けるくらい料理がうまくなりたい!」という、よく分からない夢がありまして・・・。家族だけでなく、もう少し多くの人に料理を振る舞いたいなと。

丸尾

社長になられたタイミングで、その夢を社内で実現されたんですね。

阿部

そうです。「ワクワク楽しい会社にしたい」と口で言うだけではなかなか伝わりません。
そこで、自分の夢を形にすることで、少しでも社員に「会社って楽しいな」と感じてもらえたらと考え、その社員に相談しました。

 

すると「それは面白いですね!」と賛同してくれて、「名前はあべ食堂がいいんじゃないですか?」と提案してくれたんです。

丸尾

とてもいいネーミングです!

阿部

日笠商事が立地している、ここ津山産業・流通センターの以前からのご縁で、料理好きの方にも協力いただき、鍋や釜など百人分の道具をお借りしました。

 

第1回目は、36人分のスパイスチキンカレーとおしゃれサラダ。社員の健康を考え、市販のルーを使わない無添加のカレーで、かなり気合いを入れて作りました。ありがたいことに、皆さん「本当においしい」と言ってくれまして、思いのほか大変好評でした。

丸尾

社員のみなさんにとっても、良いコミュニケーションの場になりそうですね!

阿部

会社の仕事はどうしてもプレッシャーがかかりがちですし、数字目標もあります。
ただ、そのプレッシャー一色になってしまうのではなく、「ちょっと面白いこともやっていいんだ」と思える雰囲気をつくりたい。あべ食堂は、その一つのきっかけでもあります。

丸尾

来月からは、服装を「スマートビジネスカジュアル」に変える計画もあるとか。

阿部

ネクタイを外して、もっと自由な雰囲気で仕事ができたらいいなと思っています。
社長が固く構えていると、社員もこわばってしまいますからね。
自由で、挑戦しやすい社風にしていきたいです。

6「信頼」「社員」「挑戦」で、次の100年をひらく

丸尾

2027年には、いよいよ創業100周年を迎えられます。
これから日笠商事をどのような会社にしていきたいとお考えですか?

阿部

まず、これまで築いてきた「お客様との信頼関係」は、100周年を迎えても変えてはいけないものだと思っています。地元密着で「地域企業の良きビジネスパートナーであり続ける」こと。それが一つ目です。

丸尾

信頼は、これからも変わらない土台ですね。

阿部

はい。二つ目は、「社員が主役の会社」であること。
社長が主役ではなく、あくまで社員一人ひとりが主役であり、私は対外的な活動を通じて会社を有名にするくらいの“脇役”でいい。社員がいきいきと楽しく働き、「自分たちが会社をつくっている」と感じられる組織にしたいと考えています。

丸尾

そして・・三つ目については何でしょうか?

阿部

三つ目は、「挑戦」です。老舗ではありますが、「今までやったことがないから」「失敗したらどうしよう」といった理由で挑戦を止めてしまっては、次の100年はひらけません。失敗してもいいから、どんどん自由に挑戦してほしい。

「信頼」「社員」「挑戦」の3つを軸に、次の100年へバトンをつないでいきたいですね。

丸尾

すばらしい3つです。社員の皆さまにも、本当の意味で「仕事の楽しさ」を感じてもらえそうですね!

阿部

私自身は、もともと昭和の固い人間だと思っていますし、自分では面白くやっているつもりでも、なかなか伝わらないところもあります。

 

だからこそ、あべ食堂や服装の変化など、いろいろな形で「楽しんでいいんだよ!」というメッセージを出していきたい。

 

そうして社員が元気に、正しくお客様に貢献していれば、その姿勢は必ずお客様にも伝わり、「これからも付き合っていきたい!」と言っていただける会社になれると信じています。

7大切にしている言葉「施して報いを願わず、受けて恩を忘れず」

丸尾

最後に、阿部社長が日頃から大切にされている言葉を教えてください。

阿部

「施して報いを願わず、受けて恩を忘れず」という言葉です。
人に何かしてあげるとき、「ありがとうと言ってもらえないと、やらない」という気持ちになってしまうこともあると思います。

 

でも、本来は見返りを求めずに施し、していただいたことにはいつまでも感謝の心を持ち続けたい。私自身、まだまだできていませんが、一生をかけてそういう人間に近づいていきたいと思っています。

丸尾

報いを求めずに、まず自分から貢献していく。その姿勢が、社員やお客様、地域との関係づくりにもつながっているように感じました。今日はたくさんのお話をありがとうございました!

阿部

こちらこそ、ありがとうございました。

DXと「社員が主役」の会社づくりで、次の100年へ

胡蝶蘭と表彰状の横に座る阿部社長

 

日笠商事株式会社

1927年創業。岡山県津山市を拠点に、複合機・印刷機、PC・ネットワーク・セキュリティ、業務クラウドサービス、オフィス家具・事務用品など、オフィスに関わる幅広い商材を扱うオフィスソリューションの総合商社。近年はDX・生成AIを活用した業務改善、働き方改革、オフィスリニューアルなどにも力を入れ、地域企業のビジネス変革を支えるパートナーとして活動している。

 

日笠商事では一緒にはたらく仲間を募集しています!詳細はこちらから

お話を聞かせていただきありがとうございました!いつも気さくにお話しいただける阿部社長。海外も含めた大手企業でのソリューション営業としての長年のキャリアも聞かせていただき、まさに日笠商事さまが地域企業様に提供していくべき課題解決に直結しているのだと感じました。「いつかお店を開けるくらい料理がうまくなりたい!」という願望から始まった、阿部社長が直々に料理をされる「あべ食堂」については、組織づくりの観点からも素晴らしい取り組みであると、同じ経営者として私自身とても刺激をいただきました。(私は料理が極めて苦手なためより感じた次第。)阿部社長は、福島そして海外から津山へIターンで、地域企業のこれからを変えていくかえーる人でした!

 

PS. 弊社レプタイルとしても、日笠商事さまと共に「いーなかえーる」や「kintoneを活用したDX」などを通じて、地域企業様の課題解決をさせていただいております。

 

阿部社長とインタビュアの立ち姿のツーショット

  • 取材日:2025年11月27日
  • 撮影地:日笠商事株式会社(岡山県津山市)
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