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新しい価値を生み出していくおもしろさを、みんなと分かち合いたい

山陽ロード工業株式会社 

秋田英次

津山市

岡山県にある、山陽ロード工業株式会社 秋田英次 - 岡山県北の求人情報サイト「いーなかえーる」さんに、お話を聞いてきました。

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1どんな会社か

丸尾

よろしくお願いします!秋田さんは山陽ロード工業という会社の専務取締役をされています。山陽ロード工業はどんな会社なのでしょう?

秋田

もともとは道路や社会インフラ関連の建設業でしたが、今はアイデアをもとに街づくりに関する新しい商品開発、販売を行っています。だから、従来の建設業とは違った、“新しくて、おもしろい開発型建設業”を目指しています。

丸尾

今までの建設屋さんと言うと、工事などメインだと思います。でも山陽ロード工業のパンフレットを見ていると、自分達が作り出した商品などがたくさんありますよね。

秋田

そうですね。やっぱり、自分達からどんどん発信していくっていうことが重要だなと思っています。自分たちから新しく仕掛けていけばいくほど、色んなアイデアが生まれて、研究をしていこうとか、この技術も見てみたいといったような気持ちも生まれてきます。それが全く新しい建設業界、土木業界のイノベーションのきっかけにもなるなと考えています。

アイデアから生まれた山陽ロード工業の代表的な自社商品

2建設業界の“典型的なところ”を外し、“新たなものを自分で創り出してみたい”と思った。

丸尾

秋田さんは、もともと、お生まれは津山市ですか?

秋田

そうです。進学で東京に出ました。

丸尾

卒業後は、そのまま東京で働かれたのですか?

秋田

東京の会社で働きました。一番最初に行ったのは、その会社の埼玉の熊谷拠点でしたけど。でも熊谷に行って、1年ぐらいで、広島に転勤になったんです。そして4年ぐらい広島にいて、戻ってきました。

丸尾

戻られるきっかけは、何だったのですか?

秋田

そのころは、業界のありきたりなものを、他社よりも安く大量に販売する、いわゆる典型的な営業をやっていました。その“ありきたりなところ”を外したかったと思ったのがきっかけの一つです。
その会社はメーカーだったので、商品は、上から降ってくる感じの位置づけでした。
そうではなくて、なにか新しいものを“自分で創り出してみたい”と思ったんです。新しいものを自分で仕掛けていくようなことをしたいなと思ったんですよ。
こっち(津山)だったら、ひょっとしたら、それができるかもしれないと思って、帰ってきたんですね。

3私自身、マニアックな商品をよく売る営業でした(笑)

丸尾

ちなみにメーカーというと、どういう商品の営業をされていたのですか?

秋田

道路関係のあの、ガードレールや、トンネルに使われる部品、張り材などをつくって売っていました。

丸尾

なるほど、既存の決まった商品を売っていくより、思いついたようなアイデアを新しく形にて、提供していくような方がおもしろいということですね。

秋田

そうですね。そもそも私自身が定番の商品ではなくて、ちょっと変わったものを売るので有名だったんですよ(笑)

丸尾

変なことというのは?(笑)

秋田

変なものを呼び寄せるんです(笑)

丸尾

呼び寄せる?!

秋田

今まで、会社のラインナップにあるけども、誰も売った事がないものとかあるじゃないですか?全国何十名といる営業マンの中から、僕しか知らないだろうなっていうような、マニアックな商品をよく売ってたんですよ。

5年前くらいからあった「新製品」の初受注の表彰をもらったこともありました(笑)その時から、ありきたりなものがあんまり好きじゃなかったみたいです(笑)

丸尾

みんなが売るようなものじゃないものを(笑)

秋田

結局、定番の決まった製品を売る形の事業は、値段が安い、高いだけで勝負になってしまうことが多いです。それがおもしろくないっていうか。本当の姿じゃないだろうと感じたのが、出発なのですけど。

4“転勤でどこ行くかわからない”ではなく、“ここで腰を据えて仕事する”

丸尾

こちらに帰ってきて、最初にこの山陽ロード工業に入った時に、いきなり新たな商品づくりなどができたかというと、やはり難しかったですか?

秋田

はい。最初、現場の作業員、現場の技術員なども一通り経験させていただきました。それから営業もさせてもらえるようになって、そして商品もつくるようになりました。

丸尾

自分たちのアイデアで新たな商品をつくるのも、これからの経済、市場環境も含めて必要なことでもあるのですよね。

秋田

そうですね。やっぱり人口が減っていますから、特に田舎は、真っ先に不況の波をくらいますよね。よくなる時は、都会からよくなるっていう、そういう現象も起こっていますけど。このままだと工事案件も少なくなる、かといって人は少なくするのではなくて、自分たちで創り出したプラスのところで、増やしていきたいなと考えています。

丸尾

そもそも、工事案件が中心の事業であれば、津山に帰ってきたいという人も、日本全国、出向先にずっと出ている感じの生活にもなりますよね。

秋田

すべてが悪いことではないと思いますが。うちに入社してくる方は、結構大手から転職で入ってくる人もいます。やっぱり次に転勤でどこ行くかわからないっていうのが、一番辛いって言います。

例えば、工期が終わって東北にいたかと思ったら、来月からは突然、次は沖縄っていうことも十分あるんですよね。沖縄なのか、北海道なのか、東京なのかよくわからないっていうのが一番辛いと言われます。

そして沖縄で案件がとれたら、沖縄の工事案件と、あの北海道の工事案件を狙ってるなというのは、なんとなくわかるんですけど。どれが実際にとれるかは、わかんないじゃないですか。どれがとれるかわからない、つまり、どこに行かされるかわからないというのが、やっぱり厳しいみたいです。

そこで、山陽ロード工業に入社して、ここで腰を据えて仕事するのが一番よいと言ってくれる人が社内でもけっこう多いんですよね。

5スタッフと一緒に出張すると、移動中にアイデアがでてくるんです(笑)

丸尾

自社オリジナルの商品を、思いつかれるタイミングなんかも、社員で話をされたりして、産まれてきたりするものもあるんですか?

秋田

そうですね。そういう意味でよく社員といっしょに出張するんです。一人で、行ってもらってもいいですけど、一緒にいくと大体どこか途中でアイデアが出てくるんですよね(笑)運転してる時とか、乗り物に乗ってる時に、一番アイデアが出てくるので、そういうことを、わざわざしたりします(笑)

丸尾

やっぱり、人とのコミュニケーションの中で、新しいイノベーション的なものが生まれるとか。

秋田

そうですね。見ているものによっても、違うと思いますし。展示会によく出かけて、刺激をもらうというのも癖になっていますしね(笑)

6どこにいるかより、誰と何を一緒にやるか。その人と一緒に仕事をしたいからという感覚。

丸尾

現在は、この山陽ロード工業で、自社製品開発に力を入れながら、会社もマネージメントされていますけども、感触はどんな感じですか?自身として。

秋田

今は、会社としてやりたいことも、できるようになってきましたけど、まだまだこれからだと思っています。今のような風土になるのにもけっこう時間かかりました。たぶんこれからうちに入社してくる人は、そういった風土ができてきているので良いのかなとも思います。

丸尾

先日お話した時に秋田さんが、山陽ロード工業はリモートオフィスみたいな感じで働くこともできるとおっしゃっていました。条件さえあえば、別に常に決まった場所にいなくても、色んな働き方ができるようになっている。そういった部分も会社としては、すごく柔軟だなと思いました。

秋田

そういった部分も、どんどん取り入れていきたいですね。それこそ、海外から、リモートで仕事してもらうっていうのも十分ありえますしね(笑)逆にそれを推奨していきたいぐらいに思ってます。

どこにいるかより、誰と何を一緒にやるかっていうことが、大切だと思います。その人と一緒に仕事をしたいからという感覚ですね。

7“ティッピングポイント”ってあると思います。ここに行くまでに諦めてしまうと、何もなりません。

丸尾

それでは最後になりますが、秋田さんが日頃から、なにか大切にされてることがあれば、教えていただきたいと思うのですが。

秋田

色々あるんですけど、そうですね・・・やっぱり、「ティッピングポイント」ってあると思うんですね。

何事もですが、ある時までぐーっと我慢しなきゃいけないんですけど、ある時からぐっと成果あがる時があると思うのです。そこに行くまでに諦めてしまうと、何もなりません。そこに行くまでは一生懸命我慢というか、希望をもってやるのが大事だなといつも思ってます。

丸尾

閾値(いきち)ですね。私も、結果がでるまで継続できず、やめてしまうパターンって結構日頃から多い気がします。

秋田

そうですね。そこまで行動を継続することが大切です。僕自身もそういったことをいくつか経験しましたし、だからこそ、これからうちに入社してくる若い方などは、積極的にバックアップしていきたいですね。

新しい価値を生み出していく仕事は、とてもおもしろいと思っています。だから独り占めしないで(笑)そのおもしろさをみんなに分けたいなと思っています。

新しい価値を生み出していくおもしろさを、みんなと分かち合いたい

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地域のインフラである橋梁などの構造物メンテナンスを主な事業とし、 現在老朽化が進む橋梁の調査から補修、必要資材の販売・アドバイスまで地域企業と連携し、オールマイティに対応。地域の安全な生活を守り、美しい景観を後世に残していく。

お話を聞かせていただきありがとうございました。これまでの業界の常識を外し、この岡山県津山市から、自分たち自身で、新たな市場を創っていくことへのこだわりを強く感じ、とても共感するお話でした。秋田さんは東京、広島から津山市にUターンのかえーる人でした。

  • 取材日:2015年4月20日
  • 撮影地:山陽ロード工業株式会社
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