[Uターン・Iターン・移住]いーなかえーるは、岡山県北の求人情報をご紹介します
お客様、生産者の方からいただいた刺激をステップに
リストランテ シエロ
坂東友也・坂東右子
岡山県にある、リストランテ シエロ 坂東友也・坂東右子 - 岡山県北の求人情報サイト「いーなかえーる」さんに、お話を聞いてきました。
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1はじめに
丸尾 |
それでは、よろしくお願いします!まず、ここシエロのコンセプトを教えてください。 |
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右子 |
イタリアの田舎にあるような店をつくろうと思いました。イタリアのレストランって、みんなが集まるところなのにすごい田舎にあったりするんです。ここも、こういった景色ですし(笑) |
丸尾 |
ここから見る風景も、すごくのどかですもんね(すぐ外は田園風景) |
右子 |
私達自身が “イタリアの田舎”がすごく大好きだということもあります。イタリアの田舎って、日本ではもう忘れられたような感じがあります。土地ごとに強く特色があったりしてすごくおもしろいんですよ。 |
丸尾 |
なるほど。だからここもそういったイメージなのですね。 |
友也 |
イタリアのお店って、どこも菜園をやっていて、そこで作ったものとか、その土地の野菜とかをつかいます。また飼っている家畜を食材に使用したりとかもします。 |
現在のシエロ店舗 津山市郊外に位置し、周囲は田畑に囲まれる |
2一日の流れを見ていて、レストランをやってみたいと思った
丸尾 |
もともと料理としてイタリアンを始めようと思ったのは、何かきっかけがあったのですか? |
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友也 |
実は私はもともとケーキ屋さんで働いていました。 |
丸尾 |
イメージはありますが、そんなに時期によって違うんですね。 |
友也 |
そのケーキ屋さんの隣がイタリアンレストランだったんです。 |
丸尾 |
それでレストランの方に進まれたのですね。 |
友也 |
その時はまだ決めていなかったのですが、フランス料理とかイタリア料理のような洋食がしたかったんですよ。当時の私の主観ですが、フランス料理はちょっと堅いイメージがあったので、気楽に行くようなイタリアンがいいと思いました。その後イタリアンで修業をしました。 |
3若いうちに料理の修業がしたいと思い、イタリアンレストランへ
丸尾 |
右子さんは岡山県北のご出身でしたよね。 |
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右子 |
そうです。勝央町出身です。私も、もともとはケーキ屋になりたいという思いもあり、高校を卒業して大阪にある製菓の専門学校に進みました。実は、大阪出身の主人(友也さん)の出身校でもあります。 |
丸尾 |
もともと、友也さんとは、大阪で同じ学校出身だったのですね! |
右子 |
はい。でもその段階では、まだそんなに将来をきちんとイメージできていたわけではありませんでした。調理師免許は持っていたので、調理師の専門学校に行くより、製菓の専門学校に行こうと考えました。調理師とは別に、製菓衛生士という資格もあるんです。そして神戸にあるケーキ屋に就職して働き始めました。 |
丸尾 |
神戸と言ったら、都市部ですけれども。 |
右子 |
そうですね。やっぱりそもそもの人口が多いので、来店される方は多かったです。働き始めるときに、将来地元に帰ることを意識して、食材素材を生かすコンセプトが強い店を選びました。 |
丸尾 |
右子さんがイタリアンレストランに進まれたのはどういったきっかけだったのですか? |
右子 |
レストランにも興味はありましたし、ケーキ屋は持ち帰っていただくことがメインなのであまり、お客さんの反応が見えにくい部分があります。身近にお客さんの反応を感じることができるレストランの方に進みたいという気持ちが強くなりました。 |
丸尾 |
たしかにケーキなどは買って帰る感じですものね。 |
右子 |
そうなんです。そしてレストランで働こうと思ったのは、ケーキ屋でだいたいすべての業務ができるようになったときに、“若いうちに料理の修行したい”と思いました。その後イタリアンレストランに入って、そこで主人と知り合ったんです。 |
4都会には、その“土地の食材”がない
丸尾 |
その神戸の周りのほうの地元の食材を生かしたということですか? |
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右子 |
地元の食材ではなかったです。やっぱりレストランに入って思ったんですけど、都会にその土地の食材ってないんですよね。 |
丸尾 |
・・・そうなんですか? |
友也 |
食材は基本、日本のどこかでは、育つじゃないですか。今は物流も発達していて、それらを仕入れるのでいつでも食材があるように感じるんです。旬とか関係なく。 |
丸尾 |
なるほど確かにそうですね。だからこそ、その土地だから味わえる味を、ということですか。 |
右子 |
手間はかかりますが、味の出し方が“素材そのもの”によるものです。特に野菜とか、日本みたいに便利なとこじゃないこともあり、食材がたくさんとれた時に加工しておいたりもします。私達も今ちょうど“トマトの瓶づめ”をたくさん作っていて、冬に向けて貯蔵して冬に備えたりしています。 |
5津山の町並みを気に入って、そこでイタリアンレストランを出店
丸尾 |
津山に帰ってこられることになった話をお聞きしてもよいですか? |
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友也 |
その後、大阪に移り修業もして、私がちょうど30になる時だったので、今後どうするかと考える時期でした。そのまま大阪で続けるか、独立するか。しかも独立するとしたらもう大阪とかじゃなく、全然違うところでやりたいっていう気持ちもありました。津山市の妻の実家に遊びにきたときに、この地域は良いなと感じました。いいんじゃない?みたいなノリもありましたけど (笑) |
右子 |
あと、結婚して子供も産まれて、環境を意識するようになりました。手に入る野菜も。空気なども。この先ずっと都市部に住むか?ということも考えるようになりました。でもその決心もつかぬままという感じですかね(笑) |
丸尾 |
それで津山に帰ってこられてから、出店されたのですね。 |
右子 |
今ここで3年なのですが、その前に津山の城東昔町の古民家を改装して、そこで5年間やっていました。築150年ぐらいのすごくいい建物でした。 |
丸尾 |
城東地区は、歴史のある町並みですよね。 |
右子 |
私達は津山の昔ながらの町並みを気に入って、そこでイタリアンレストランをしたいと考えました。あそこの町並み保存地区だけに絞って物件を探しました。なかなか見つからなくてやっと見つけることができ、その時は中もきちんと見ずに決めて、そこで5年やってました(笑) |
丸尾 |
本当に雰囲気の所ですもんね。 |
右子 |
そうですね。和と洋で違うんですけれど、まぁ、すごく歴史もあり、なんだかすごく共通する雰囲気があると思います。 |
以前のシエロ店舗があった津山市の城東町並み保存地区 |
6地方だからこそ人とのかかわり方も違ってくるのでは?という期待も
丸尾 |
大阪から津山に戻られる際に感じられたことは何かありましたか? |
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右子 |
もう今から9年前の頃は、都会から移住されてきてお店をされてる方があまりいらっしゃらなくて、みんな地元の方なのでちょっと戸惑うところはありましたね。大丈夫かな?って。 |
丸尾 |
大阪生まれ大阪育ちの友也さんから見た津山はどんな感じでしたか? |
友也 |
都会の中で店をやっていると、どうしても全員が競争みたいな、あまり人と深く接すこともなく時間が過ぎていく感じというのが嫌でした。地方に行ったら、人とのかかわり方も違ってくるのではという期待もありましたね。 |
丸尾 |
そして実際にこっちに来られて、ギャップはありました?“実際思ったより田舎だった”とか(笑) |
友也 |
そうですね。思ったより・・・最初、都会の24時過ぎが、こちらの20時みたいな(笑) |
丸尾 |
そうですね。早いですもんね!(笑) |
右子 |
特にあの古い旧道沿はもう、ちょっと怖いくらいでした(笑) |
7都市部とは、お客さんとの距離感が全然ちがう
丸尾 |
お店を営業されている視点からはどうでしたか? |
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右子 |
ここ津山で店を始めてみて驚いたのは、同じお客様が何度も来てくださることです。都市部だと人口も圧倒的に多いので、色々な方が来られて、その日にしか来ない方も多いですがこちらは、週に一回とか定期的に足を運んでいただけるお客様が多いと感じます。 |
丸尾 |
確かに一度気に入ったら、ずっと足を運んで関係を深めていくという感じはあります。 |
友也 |
そうそう!連れてこられるお子さんの成長がすごいとか!(笑) |
右子 |
8年前に来られたお子さんがもう高校生!(驚)とか、はじめは本当に小さな赤ちゃんだったのが、気付いたら走り回っているし(笑) |
丸尾 |
なんだか、お客さんと一緒に、店も成長していくような感覚ですかね? |
右子 |
そうですね。お子さんがこんなに立派になって・・私達も成長しないと!って思いますね。 |
丸尾 |
やっぱり都市部と違っているところは、そういった人との距離感ですか? |
友也 |
そうですね。距離がすごく近いですね。 |
8実際に、食材つくる生産者と触れ合える
丸尾 |
ほかに、ここ津山でお店をされてよかったことはありますか?食材のことなども。 |
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友也 |
そうですね。食材もそうですけど、なによりその食材をつくる人たちと、触れ合う機会がすごくあります。 |
丸尾 |
実際に生産者の方とお会いできるということですか? |
友也 |
直接、生産者の方とお会いできて、“こういう食べ方をしてほしい”と言われたりとか、“こういう感じで料理してみます”とか。“お客さんに食べてもらって、喜んでくれた”とか。そういった話ができることは、本当に素晴らしいと思います。 |
右子 |
一緒にね。酒を酌みかわしながら(笑) |
丸尾 |
それはすごく良いですね(笑)お客さんの反応を生産者の方も知ることができますしね!単なるお店というか、生産者とそれを実際に食べる人が繋がる感じですね。 |
友也 |
その方が生産者の方も励みになると思います。 |
9“食材の本来のおいしさ”を食べていただく人に伝える
丸尾 |
それでは最後になるんですけれども、日頃から、このお店を通して、大切にされていることがあれば、教えてください。 |
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友也 |
私は日頃から料理をつくる人なので、できるだけ食材のおいしさを伝えることができる料理をしないと、生産者の方にも申し訳が立ちません。 |
右子 |
私個人としては毎日が勉強という感じです。お客さんからいただいた一言とか、生産者の方とお話したこととか、全てをこれからのステップにできるよう、吸収していきたいと考えています。 |
お客様、生産者の方からいただいた刺激をステップに
岡山県津山市にある素材を生かしたイタリアンレストラン。
取材に対応いただきありがとうございました。お二人の食材に対する想いはすごく印象的でした。友也さんは大阪から津山市にIターン、右子さんは大阪から津山市にUターンのかえーる人でした。
- 取材日:2014年9月11日
- 撮影地:リストランテ シエロ